てておやと２CVと娘

食べる事が好き。酒が好き。女と博打が無い分、色々な遊びが大好きなこの会社の社長ですが、娘が二人おります．上の娘が中２ですが、彼女の為に車を用意してあります．もちろん、彼女が免許を取ってからの事ですがシトロエン２CVという1985年の仏蘭西の車です．車体はブルー。これは日本に入った仏蘭西本国生産の最後の船便に間違って紛れ込んだ色の車で、日本では珍しい色です．フレンチブルーですね．奈良の奈良漬屋の若大将に紹介後、10年近くたって私の手元に来ました．走行距離5000kmの状態です．奈良漬けの倉庫に大切に保管していたとの事でした．

女房と結婚した時もクリスマスプレゼントに買ったのが２CVでした。色は白で女房は路上で立ち往生を経験したり、後ろから煽ってくるトラックを物ともせずかっ飛ばしていました．いまでも、平坦なゆっくりうねったカントリーロードを２CVで走るのが好きと言っています．長女が生まれ、次女が生まれた頃、女房に言われました．”あたしはいいけど、子供たちの為にエアコンの付いた車にして”と。そう、この２CVにはエアコンなどと言うものは付けられないのです．

一度、エアコンの入った車に乗った女房が、再び２CVを所有する事はもうありませんでした。

娘よ．車とはこういうものだと知ってもらいたい為にまず２CVに乗ってくれ．車の楽しさは快適さだけではないだ．それがてておやの娘に伝えたい大切な気持ちなのです。

しかし、この車を娘に渡す為に支払った維持保管の金額は計算したく有りません．何故ならエアコン付きの最新の車なんか楽に買える金額になるでしょうから．てておやとはつらいものです．