今年の記録
今年の我々を取り巻く農産物の状態はどうだったのでしょう.今年の記録として残しておこうと思います.
もちろん、東北で起こった大地震とその津波による被害、そして、最悪なのが福島での原発事故でした.最初の二つは自然災害ですが最後のは完全に人災です.それも、政府と東電による人災です.そして、両者ともそれを認め心からの謝罪、償いをしていません.こんな国に生まれた事を、今まで誇りにしていただけに残念に思っています.
震災後は震災被害や放射能汚染がどれほど拡大するか判らない為に、色々な品目の相場が跳ね上がると思っていました.実際、一部の物は品不足から価格はドンと跳ね上がりましたが、夏以降、地震や放射能被害の大まかな状態が判明するにつれて落ち着いてきました.もちろん、この時期、日本国民や世界各地からの災害被災者への援助が行われました.
ここでまず入ってきた情報は日本中の果物産地から、あらゆる果物、みかん、りんご、ぶどう等の花が受粉する前にどんどん落下したという情報です.そして、驚く事にミツバチが仕事をしないというのです.農作物も生物ですから、受粉して初めて実を付けます.その仕事の大半はミツバチが担っています.そのミツバチが巣箱から出てこない。出てきても同じ所をクルクル飛んで花に付かないというのです.その結果、自然落下が多くなりみかん、りんごは大味で糖度が乗りにくい大玉が主体になりました。美味しいみかんやリンゴを食べていただかないと、特に子供たちに果物離れが進む事が怖いと思います.
イチゴに付いても例年でしたら12月一寸前から出荷が始まって、1パック500円以上が当たり前でした。今年は例年と同じ作り方をしているのに2週間以上前から出荷が始まり、例年の半値で取引されています.店頭で売れないそうです。一寸でも早く、おいしいイチゴをと作っておられる農家さんはイチゴハウスで加温の為に使った石油代も払えないと頭を抱えておられます.
北海道も玉葱や馬鈴薯が大きくなる時期に雨が降らずに小玉傾向でした.地球の環境はどうなってゆくのでしょう.
これからクリスマス、そして年末とがんばって美味しい物をうって行こうと、営業会議で誓い合いました.