LPK液肥 LPK−mgの施肥管理 その1
西岡です。
LPK液肥やLPK−mgを使用した施肥管理の基本を何度かに分けて書いてゆきます。
栄養周期説という植物の成長時期ごとに必要な各肥料、窒素、リン酸、カリ、マグネシウム、カルシウム等を成長の必要な時期に必要な量を施肥する事を基本とした施肥管理です。
この施肥管理の対極にあるのが元肥施肥管理です。成長に必要な肥料はすべて元肥として最初に入れてしまいます。現在でもこの肥培管理は多くの作物、産地で実施されており、農協が進める肥培管理も多くはこの方法です。では、この二つの肥培管理に付いて長所と短所を考えてみましょう。
栄養周期説肥培管理の長所は何と言っても適時に必要な肥培管理を行う訳ですから、収量が多くなる(花芽の数を多く付ける事が多くの種類の植物に可能になります)、糖度、味が良くなる(収穫前に積極的に糖度や味を上げる肥培管理が出来ます)、農薬の使用量が少なくなる(元気な状態が続きますので病気にかかりにくくなります)などの効果が期待でき、実際多くの生産者が経験されています。では、短所はどうでしょう。何と言っても手間数が多くなり管理が大変です。ほとんどこれが理由で実施できない生産者がほとんどです。ですが、LPK液肥とLPK−mgを効率よく使用する事によりなるべく簡単にこの肥培管理を実現する事が出来ます。
元肥肥培管理の長所は何と言っても手間要らずな事です。最初に肥料を入れておけば後は収穫するだけ(一寸極端ですが)。では、短所はどうでしょうか。すべての種類の肥料が土の中から次々と根から吸収されればこの肥培管理で良いのですが、花芽を作ったり糖度を上げるのに大切なリン酸はそうは行きません。土に施肥したとたん、リン酸は土壌固定と言う反応を起こしてしまいます。土に含まれたアルミニウムや鉄などの重金属と短時間で化合してしまい、こうなると植物の根からは吸収が難しくなります。土壌診断を実施するとリン酸がたくさん検出されるのでリン酸の肥料はやる必要が無いという場面がこれです。しかし、リン酸を必要な時期に施肥出来ないとバランスの崩れた窒素過多の成育になります。窒素だけが片効きした状態をなくすために、最近では窒素肥料を少なくするように指導が進んでいます。これでは、リン酸も窒素肥料も少ない植物にとっては辛い状態になっていると言えます。