大森さんの質問にお答えします。
ご質問の尿素の窒素成分量の違いは49%でも46%でもあまり関係ありません。其れぐらいの窒素を目標としてくださいと言う意味です。窒素の肥効がなるべく早く、pHが中性の尿素が使いやすいとの判断で書いておきました。硝酸態窒素の方がより即効性がある事はもちろんです。
窒素成分が6%の肥料ですと160kgの散布量になります。確かに大変です。ですが、ブドウの芽が動き出すときを、ぶどうの芽が動き出すまでと理解していただいてはどうでしょうか。お礼肥えの窒素を増やす、堆肥の量を増やす等の方法も考えられませんでしょうか。地温が15度を超えると肥効のスピードがあがると言われています。これから芽が動き出すと言う判断も出来るかもしれません。
LPKを利用した栽培では窒素を多く必要とする為に尿素等の窒素単肥が有効と考えています。有機態窒素でも尿素と同じく、硝酸態窒素まで地中で分解されないと植物の根からは殆ど吸収されません。尿素でも有機態窒素でも最後は硝酸態窒素として吸収されるのですから、それなら、少量の散布で窒素成分の多い尿素が便利と判断しています。尿素等の肥料多用は土を痛めます。堆肥を多量に使っておられる菅野さんは大丈夫でしょう。
LPK液肥の葉面散布時に窒素成分を加えると言う方法もトマトやいちご、胡瓜や茄子等には使います。LPKを使うと花芽が非常に多くなり、また、これらの花芽の実を十分大きくする為には多量の窒素の追肥が必要です。収穫量が大幅に増える訳です。一つのパターンとして、これらの果菜類にはLPK液肥100倍液に尿素を800倍〜1000倍加えて夕方に葉面散布します。リン酸肥効が勝った時にはLPK液肥の倍率を落とし、窒素が勝ってきた時には尿素の倍率を落とします。こうして、果実のサイズ、量、温度、雨量に対してバランスを取っていくのです。もちろん、ぶどうにも使えます。